AVENと海外のアセクシュアル情報を日本語で紹介するブログ—※Asexual はエイセクシュアルと表記

エース当事者が運営するブログです。AVEN(エイヴン)—The Asexual Visibility and Education NetworkのHPに掲載されているFAQやリソースを和訳して転載しています。和訳は、エイヴンのプロジェクトチームに承認されています。(2022) / その他エイセクシュアル(アセクシュアル)に関する情報を投稿します。 ※記事の無断転載はご遠慮ください。

Confessions of a Romantic Asexual ロマンティック・エイセクシュアルの告白

 2020年1月。インドの女優、スリティ・ジャーは自らがロマンティック・エイセクシュアルであることを公の場でカミングアウトした。

 それは、ムンバイで開催された "Spoken Fest" での出来事で、スリティは、「キスやハグをされるのは好きだがセックスは何も意味をなさなかった。それをしたいと思わなかった」と語った。彼女が詩をよみ上げる動画はさまざまなソーシャルメディアで共有され話題となり、エイセクシュアルとしての葛藤を公の場で告白した勇敢な試みが称賛された。

「Confessions of a Romantic Asexual」と題されたこの詩は、感情的で情熱的だと思われてきたスリティが、エイセクシュアルであったこと、そしてそのために彼女が社会から受けてきたプレッシャーについて話している。
 また、世界中で#MeToo運動が巻き起こっていた時期についても触れている。世間が「ノー」を叫ぶ中、自らのアイデンティティを語ることに「言葉とうめき声で嘘をつくことを学んだ」と打ち明けた。詩の最後には「I am asexual, I'm not the only one」(私はエイセクシュアル。特別じゃない)と歌い、観客は彼女に声援を送った。

動画は、InstagramYouTubeで視聴できる。

 

Brut India/ Sriti Jha Narrates What Being An Asexual Is Like.2021.

以下和訳。*無断転載禁止

 

ロマンティック・エイセクシュアルの告白 / スリテ・ジャー
(Jan,2020)

——いいひとにまだ出会ってないだけだよ。
みんなそう言っていました。
えぇ、まぁ正直なところ、私はまだ数人しかめぐりあっていません。
そのときのことをお話ししようと思います。
きっとあなたは、古くて新しいなにかを発見するでしょう。

話を最初に戻します。私が初めて恋をしたときのことです。
いろいろルールがありました。手をつないだり イチャついたりするのはいいんだけど、それ以上は許されなかったんです。
問題だったのは、あるとき私がルールを破ってキスをしてしまったことです。初めてキスをしました。
それは冒険でした。
私が今まで感じたことのない魔法みたいなものを感じた。
最高のキスをしたつもりでした。 "永遠 "の意味を知った。

私はキス以上のことができるように努めました。でもその後は、リズム(オーガズム)を感じることもできなかった。宇宙のアラームが鳴り響き、誰もが初めての体験を迎える準備が整っていました。でも、私はまわりより遅くて。その体験をする準備もできていなかったし、熱望もしていなかったんです。きっとアラームを聞き逃したに違いありません。それなのに、まわりのみんながその体験について口にすると、私も負けじと参加していました。

私は恋をしつづけました。
いい時もあったし、悪い時もありました。
ただ、「その体験」については頭の中になかった。
「そのこと」は、私の呪いのように思えた。
だから、それを避け続けた。
でも結局は……実行しました。
でもそれは、うまくいかなかった。
そのたびに 自分が自分でないことを自覚しました。
だから友達に話したんです。
私に問題があると診断されました。
それから、たくさん本を読んだり、新しい男の子に会ったり努力しました。でも問題は解決されないままでした。なにひとつも。

ついに、私は安堵する時が来ました。
世界が「ノー」を突きつけて唱えたからです。
「ノー!」、「ノー!」と。
しかし、私が「ノー」と叫ぶと、「もう少しがんばったらどう?」と言われました。

「どうしてできないんだ!?」
「なんでやらないんだ!?」
「君は... やり方がわからないんだろう!」
「僕が教えてあげる」
「私が教えてあげるわ」
「ほんとにっ!? 驚いたな。 感じたことないの?」

「私だって感じたことくらいあるわよ!!」


ハグもキスも、髪を指でなぞられるたびに感じていたのに……。
それ以上ができない私はひとり取り残されました。
私は一人になってしまった。
だから、私は嘘をつくことを学んだ。
言葉やうめき声で嘘を学んだのは、傷つけたくなかったから。
失いたくなかった。
そして恋をしていた!
私は誰を選べばいいのだろう?
私を選ぶのは誰だったのか……?
誰一人似ていない人。
誰が私を選ぶの?
恋に敗れたのは誰だったのか。

そして、誰もがセックスについて話していた時代だった。
セックスの内容を学び、同意について教えていた時代。
そして私には、不満以外に何もなかったのです。

私は、私の恋人を非難しているのではありません。
彼らは偉大で素晴らしかった!
友人を非難しているのではありません!
みんな私を心配してくれました。みんな私をなぐさめ、約束を守ってくれたのです。
私はセックスをバッシングしているわけでもない。
私は自分が偉大であると主張するつもりはありません。
私は独身を祝わなし、セックスが嫌いではない。
でも……。


「好きな子がエイセクシュアルだって?」
「親が気にしない子と付き合え!」

そうなってしまうから、だからカミングアウトが必要なんです!
【愛】でなく【セックス】という言葉を使わなければいけないのは、私たち エイセクシュアルだけです……皮肉なものですね。間違いなくそう思います。

でも、やらなければならないことは、やらなければならない!
私は打ち明けることを少し簡単にする方法を見つけました。
そして、一歩前に進もうと。
ちょっと生意気に聞こえるかもしれませんが。
歌を歌うとき、口ごもることはないといいますよね。
歌いながら進めていきますので、一緒に歌ってください。
“私はエイセクシュアル”
“私だけが特別じゃない”
“私は必要な存在。今すぐ私を認めてください”

愛への道を選ぶことがこんなにも恐ろしい間違いだとは知らなかった。
私が感じたことを伝えるとすれば……とにかく心臓がバクバクしていたのです。

なぜセックスが必要なのか?
あなたはそれを言葉にできないでしょう。
でも、私は知っています。
なぜみんながセックスをしたいのか、そのどうしようもない理由が。
だからわかるんです。
私は、確かにセックスを望んでいないと。

そして、私は不完全でもなければ、劣っているわけでもないのです。
私は完全です。ただ、混乱しています。
これはとても美しい混乱ではないでしょうか?

そして、私は壊れています。私は不完全です。
しかし、これは別の意味合いを必要とします。
私が何者であるかを決めつけないでください。
私の心を変えようとしないでください。

最後に。少なくとも LGBTQIAの中で。
私はエイセクシュアルであり、アライである!
ということです。
そして、私はこの特別な日にここに来たように。
もう1度だけ歌います。
皆さんも一緒に歌ってください。
"私はエイセクシュアル "と。
(歌)
ありがとうございました。

 

Instagramの動画:https://www.instagram.com/p/CJ9EZqRhoIl/?utm_source=ig_embed&ig_rid=b0bf5b52-ecf2-4b39-8868-381c7d4b7faf 

執筆参考資料 : https://www.indiatoday.in/television/celebrity/story/sriti-jha-recites-a-poem-on-struggles-of-being-an-asexual-romantic-viral-video-1759060-2021-01-14